設楽原インタビュー

歴史に対する熱い思いをガイドしてもらいました~設楽原ボランティアガイドの会~

新東名が開通して以来、バスツアーや自動車で設楽原決戦場を訪れる人が増えているそうです。そこで、東郷地域を中心に長篠・設楽原の戦いの魅力を多くの人に伝える活動をしている設楽原ボランティアガイドの会の方々にインタビューしました。


(佐々木)
それでは早速インタビューの方を始めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

(3人)
お願いします。

(佐々木)
えーっと、竹内さんと小林さんと稲垣さんにお話をいろいろボランティアガイドに関する話を聞かせていただければと思います。では初めに、設楽原ボランティアガイドの会の成り立ちについて教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

(竹内さん)
最初はですね、信玄塚と設楽原歴史資料館にバスツアーがやってきたんですよ。新東名の開通に合わせて読売新聞のバスツアーがね、あったんです。1 週間に2000 人ぐらい。

(佐々木)
1週間に2000 人?

(竹内さん)
本当にバスが毎日何台もやってきてね。どこに着くのかわからなかったんだけど、着いたのが信玄塚と設楽原歴史資料館。そのときは竹広の地元の人を総動員して、信玄塚と資料館を案内したんです。それがこのボランティアガイドの始まりですね。最初は信玄塚周辺だけでしたけど、今はどんどん広域になって長篠城から設楽原までいろいろな史跡を案内することができるようになりました。
令和2年度はコロナ禍のために(ガイドの仕事は)ほぼ全滅でした。令和2年3月に東京クラブツーリズムがあいさつに来て、「今年度もよろしくお願いします。」と言った後、全然だめになってね。それでも令和3年5月になったら東京からバスが3台やってきます。6月には45人の団体の予約が入っています。ある旅行会社からもコロナウイルス感染が収束すれば、こちらへ来たいと連絡がありました。次年度はね、次のその次の大河ドラマ、「どうする家康」になったということで期待しています。もうすでに2回ほど馬防柵へ取材に来ていて、早めにドラマの終わりに流すなんとか紀行を作るみたいですね。鳥居強右衛門も配役が決まったなんて言っていましたね。誰かわかりませんが。

(佐々木)
へえ~、それは楽しみですね。

(竹内さん)
ですからね、ここ(設楽原)に需要が高まっています。コロナ禍で(旅行へ行きたい)マグマがたまっていますからね。私たちもしっかり勉強しながら、対応したいと思います。

竹内会員

(佐々木)
ありがとうございます。新型コロナウイルスのおかげでなかなか活動できないと思いますが、普段このボランティアガイドの会を維持していくためにどのようなことをしているのか教えていただけるとありがたいです。

(竹内さん)
(配布した)資料を見てもらうとわかるんだけどね。例会ごとに研修を行っていて、6月には五葉城と宇利城の研修があって、10月には作手の甘泉寺と文殊山砦と鳥居強右衛門の墓に行きました。

(佐々木)
結構な回数を研修されていますね。

(小林さん)
研修というか、話をするのにいろいろな引き出しが必要ですよね。ただ、ステレオタイプでやるよりも、要所、要所に地元のエピソードを添えてやるとそれなりの親近感が沸きます。現地を見ていると見ていないとでは、話の仕方も違いますし、できるだけ幅をもたしてやろうということでやっています。
で、会の仲間には、(設楽原決戦場に)詳しい人もいますし、専門的に研究している人もいますので、そういう方を講師にして、いろんな人の知識を会員で共有できるになればということで、いろんなところに行って、こうだったああだったと勉強しています。

(竹内さん)
そこで勉強したことをこの冊子にまとめてあります。今年はコロナ禍でもあったので。今度の例会で皆さんに(冊子を)渡したいと思っています。250冊作りました。

(佐々木)
250冊!?

(竹内さん)
今度ね。ほのかの3月号に原稿を掲載しましたし、新城軽トラ市で冊子のデータを入れたDVDを100枚無料配布しようと思っています。

(佐々木)
では、このデータをこのホームページに載せても・・・

(竹内さん・小林さん)
使ってください。

(佐々木)
やった。そうさせていただければ、興味を持っていただいた方に紹介することができます。ありがとうございます。この冊子見させていただいたのですが、本に載っていないようなところまで丁寧に作られているというか・・・。

(竹内さん)
これはガイドが歩いて作ったというかね、4年間の実績が全部入っているからね。

(稲垣さん)
このあたりの史跡のいいところはね。小牧・長久手の戦いがいい例だけど、小牧城は残っているけど、昔の風景は残ってなくてね。でも、長篠・設楽原の戦いの風景は開発とかもされていなくて、結構残っているんだけど、それがこの地域のメリットだと思うんですよね。現場を見ることができるというのが、大変いいところだと思うんですよ。東京や他の地域から来られた人から、そのまま残っているはすごいなあという感想を聞くことが多いですよね。だけども、実際、他の方々が来てどこが決戦場なのかというのがわかりにくい。そこで私たちの存在意味があると思うんですよ。そこで説明することで設楽原の戦いを理解してもらえるんですよね。

(佐々木)
そうですよね。当時の地形がそのまま残っているところが多いですよね。ですけど、現地に行ってみるとどこに何があるのかわかりにくいですよね。

(稲垣さん)
それはね、わしらが現地に行って説明せんとわからん。

(竹内さん)
そうだね、ガイドがいないとわからないですよね。

(小林さん)
見ようによっては、お城があればお城を見るとわかったような気になりますよね。ここはそれといったポイントがないもんで、見ただけではわからないから私たちの存在意義があるんですよね。言い換えれば説明されないとわからない場所。でも説明されれば、結構深いんですよね。そういうことがあったのかと。
お客様にもいろいろありましてね。で、結局最後にどっちが勝ったの?なんて聞かれるような方もおりますし、そうかと思うとまあ専門家かと思うような質問を投げかけてくる方もおりますよ。その差も大きいので、私たちも勉強になります。(ガイドをすることのが)なかなか面白いです。

(竹内さん)
私は毎日馬防柵へ歩いていくじゃんね。そうすると必ず午後2時ぐらいには誰かがおるもんでね、そこで説明をするんです。

(佐々木)
それは観光客の方ですか?

(竹内さん)
そうです。本当にうれしいなあと思って。いろんなところからね、今でも訪れていますよ。

(佐々木)
どんな方がいます?年齢の上の方とか、若い方とか?

(竹内さん)
結構若い人がおるね。土日は必ずおります。私は長篠城址に行ったり、こちらに行ったりしていろいろ説明していますよ。楽しいですよ。あのね、勝頼公ファンの方って、結構女性の方が多いんですよ。

(小林さん)
武田勝頼という人は、女性受けするんですよ。

(竹内さん)
そうそう。本当にびっくりするんだけど、いろいろな服装を着てね、いろいろなグッズを持ってね。こないだも6人ぐらいの女性のグループが来ていたかな。

(稲垣さん)
勝頼ってね、負けた人だからね。なんというか判官びいきというか、愛おしいと思うんだよね。

稲垣会員

(佐々木)
そうなんですね。さて、皆さんのお話を聞いて、現地で説明することの意味はとても大きいことがわかりました。ボランティアガイドの会の存在意義を理解することができました。ここで伺いたいのですが、会として東郷地域の方々に伝えたいことはありますか?

(竹内さん)
東郷地域では、「設楽原を守る会」が本当に(設楽原決戦場の史跡を守るために)活躍してくれています。それが私たちの原点にもなっているのですが、ますます高齢化しているもんだから、設楽原を守る会も構成員を見ると、本当に若い人が入ってこないもんで、ボランティアガイドの会も含めて、年寄りの会ばっかりになっているのが現実なんですね。若い人にもね、こういう機会(インタビュー)に興味を持っていただいて、会に入っていただきたいです。

(稲垣さん)
地元の皆さんにも、史跡めぐりというか、そういう企画を立てていただいて、重要なポイントだけでも10箇所ぐらいあるもんで、足で歩いて史跡のよさを実感してもらうが早いんじゃないかな。

(小林さん)
老人クラブにおいて、資料館をスタートにして史跡めぐりのウォーキングを毎年1回はやっているんです。どういうコースを設定して、その箇所その箇所でどういったことがあったのかということを解説付きでウォーキングしてもらう。たまたま老人クラブの理事なので、そういうことがやれたのですが、東郷自治区としてもそういうイベントみたいなものを、ボランティアガイドの会も全面協力いたしますので、何かの団体を作ってやっていってもらえればいいかなと。
あと、間口は常に開いていますので、是非とも若い人に入ってもらいたいと思っています。土日だけでも結構ですし、忙しいからできないけども、やれるときがあったらガイドをやってみようかなでも結構ですから是非とも入ってほしい。

設楽原ボランティアガイドの会の皆さん、インタビューありがとうございました。東郷地域の方々で設楽原ボランティアガイドの会に興味をもたれた方は、是非参加してみましょう!話始めたら止まらない、設楽原への愛を感じるインタビューでした!


(設楽原ボランティアガイドの会について)
ガイドを希望される方は、1週間前までに設楽原歴史資料館(0536-22-0673)へ予約してください。もっくる新城から長篠城址、設楽原歴史資料館の3時間が基本のコースとなります。希望があれば、要相談でコースをアレンジしてくれるようです(ただしコースは2時間から)。また、インタビューに出てきた冊子は東郷地域協議会地域活動交付金を利用して、作成したものです。この貴重なデータをこのHPでも公開したいと思います。長篠・設楽原の戦いの魅力がギュッと詰まっていますよ。

長篠・設楽原の戦いの史跡巡り前半(PDF14.3MB)
長篠・設楽原の戦いの史跡巡り後半(PDF37.6MB)

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