ケッターパーク

【前編】時代を超えてつながる東郷の遊び場「ケッターパーク」

 今年4月に東郷中学校の裏山にオープンした「東郷ケッターパーク」。本格的なマウンテンバイクコースやブランコ、スラックライン、ハンモックなど、子どもたちが楽しめること間違いなしの施設になっています。最近、駐車場も確保し、ますます行きやすくなったケッターパーク。広報ほのか6月号の表紙も飾っています。夏も近づき、子どもたちの遊び場として期待される場所として、今回取材をしてきました。スタッフとして活躍するお二人にケッターパークのことをいろいろお聞きしました。どうぞ!

(インタビューアー:佐々木 昌也)

©dsk24

ケッターパークができるまで

佐々木 よろしくお願いします。一応自己紹介からさせていただきたい。私が今回のインタビューアーの佐々木と申します。お二人のお名前も教えてください。

磯原さん はい、須長に住んでいます磯原といいます。

滝川さん 八束穂に住んでいます滝川といいます。

佐々木 木のイスを用意していただいたみたいなんで、座ってじっくりお話を聞きましょう(笑)。今日は、このケッターパークを取材させていただくんですけど、お二人の言葉で結構なんですが、ケッターパークができるまで、どのように作ってきたかを教えていただけるとありがたいのですけども、どうでしょう?一番最初に話があったのはいつ頃ですか?

磯原さん おととしの冬ぐらいですかね。

佐々木 2019年の冬、12月ぐらいですか?

磯原さん そうですね。母が市役所に勤めていて、その冬ぐらいのときに、白頭さん(地域協議会担当者)から母の方に話がいって、こういう話があるみたいだよということで知りました。そのあとで実際に連絡があって、参加するようになり、1年半ぐらいになるかなと思うんですけど。コースの作成自体は、僕も昼間仕事があるんで、あんまり関われなかったですが、実際できてからは基本出られるときは出て、土日も来るようにしています。人もそれなりに来てくれているので、良かったのかなと思っています。

佐々木 ありがとうございます。滝川さんはいつから関わっていますか?

滝川さん そうですね、僕も同じぐらいの時期に話がありました。消防団に所属していまして、そのときの分団長が白頭さんで、白頭さんとは同級生だったのでこういう活動を進めていきたいのだけど、ボランティアとして参加してみてはどうかと話がありまして、それでご協力できるものがあればと思って、参加してみることにしました。

佐々木 ありがとうございます。では、そのケッターパークの活動が始まったとき、ここってどんな状態でした?

磯原さん まあ、鬱蒼としたただの山です。

佐々木 はっはっは(笑)。

磯原さん ぐしゃぐしゃだったしね。

佐々木 あそこを見るとめっちゃ木倒しているなあって、わかるんですけど、めっちゃ大変じゃなかったです?

滝川さん そうですね、あのあたりは市役所さんがメインでやってくれたんですけど、昨日6時間かけて、このあたりの見栄えをよくしました。やっぱり大変でしたね。

一番大変なエピソードを教えてください!

佐々木 今までで一番大変なエピソードって何です?コースのロープとか道とかの整備でしょうか。

磯原さん 僕はコースを作るところとかはそう関わらなかったんですけど、オープンしてから自転車が走った後、コースが若干崩れたりするんで、なるべく補修を丁寧にやろうとは思っています。いかんせん広いですし、あとは補修用の土が少ないので、あるものをやりくりして、いかに維持できるかということを考えながら整えているんですけど、そういうところは苦労していますね。

佐々木 なるほど。 

滝川さん 僕はこういうことをする経験が全くなかったです。普通にサラリーマンとして会社で働いているんですけど、土木の知識とか何もない中で、本当にできるのかとても不安でした。多分ほとんどのメンバーがそうなんですけど、地域の子どもたちを集めて、こういうところを開くということに対して、漠然とした不安、どうしていけばいいのか、手探り状態でやっていくのが大変といえば大変ですかね。少しやってみてこっちの方がいいねとか、こういう風にした方がいいねとか初めてわかっていくのが、この事業でやる難しさかなと思いながら、少しずつですけどやれる範囲で協力はしています。

佐々木 ありがとうございます。なんというか勇気のいる話で、ドキドキしますよね。オープンしてちゃんと人集まるのかとか?

滝川さん それはすごい思いました。みんな思っていたと思います。

佐々木 うん、うん、そうですよね、昨日(5月29日)も十何人来てたとか、今日もたくさん来るんじゃないかと思うんですけど、お二人とも自転車とかやっていたんですか?

自転車と子どもたち

磯原さん 僕はもともとモトクロスという競技をやっていて、これ自体もう20年近くやっているんで、二輪の競技に対しての思いっていうのは、一般の方よりは強い思いがあります。それこそ僕が小さいときにこういうところがあればよかったのになと思っているのが、今こうやって形になっているのは嬉しいですね。自分が楽しめるようなものを、多少手は入れて改修しながらやっていけたらいいなと思っています。

佐々木 滝川さんはやっていたんですか?

滝川さん いえ、僕は全くやっていなくて、自転車に乗るのも高校の通学以来だったので、10年以上は自転車に乗っていませんでした。話は変わってしまうのですけど、僕もここでディスクゴルフを子どものころに遊ばせていただいて、自分の小さいときにケッターパークができていたらよかったなとも思います。ディスクゴルフ場はなくなってしまいましたけど、地域の子どもたちのために違う形で挑戦できたらなという感じで、マウンテンバイクの経験は全くなかったんですけど、やってみようかなという気持ちが動機ですかね。

佐々木 いや、もうなんというか自分というより子どもたちのためというのが、聞いていて嬉しくて、ここで経験した子たちが、きっと、つながっていくとその次にその次にって、できていくここがスタート地点になっていくのかなと。で、さっきケッターパークの会長さんも言っていたのですけど、子どもたちが来て、キャッキャ、キャッキャ喜んでいるのを見て、すごく嬉しくて仕方がないって言っていました。お二人はこどもたちが遊んでいるのを見てどうですか・・・あっ、早速子どもがケッターパークに来ていますけど(笑)。

滝川さん 本当、うれしいですね。(笑)

磯原さん 後ろを追っかけて走っていると、男の子なんかは競争したがるんですよ。競争相手になるとか、年は十ぐらい離れていますけど、相手ができるというか、同じ目線で楽しめるというのが、まあ、ある種こういう初心者向けコースのいいところなのかなというのもあるので、彼らが、ちょっとずつ大きくなって、このコース自体の運営じゃないですけど、管理の方にも一緒に手伝ってもらいながら、やれていけたらいいのかなと思います。

佐々木 確かに。子どもたちが本当に・・・後で少し見させていただこうと思うんですけど、いっぱいこうガーって走っている姿を見るとそれだけでもわくわくしますよね。あっごめんなさい。東郷のキーワードを出してしまいました(笑)。わくわくするまち東郷ですからね。

 ちょっと話を変えていこうと思うんですけど、お二人とも東郷の出身ということで、東郷のよさをいつも聞いているんですけど、東郷地域のよさってどんなところですか?

東郷地域のよさを教えてください!

磯原さん 自然が多いところですかね。お店が少ないとか、遊べるところが少ないとかというのはありますけど、その分、都会にない遊び、遊べる場所を作れる場所が多いと。例えばこの裏山もそうですけど、使っていない畑や田んぼがある。そういうところをそれこそ自転車のコースではないですけど、運動施設にちょっとずつ作れたりすることができれば、すごい可能性があるまちなんかじゃないかなというのは、思いますね。まあ、土地が有り余っているという意味では使い放題だと思うんです。で、地域の協力っていうのが必要なんですけど、そういう賛同が得られれば、そういう盛り上がりはもっと見せられる可能性は秘めているんじゃないかなと思います。

佐々木 確かに空いているところを開発するというのは面白い視点ですね。東郷には新城総合公園があったり、その近くにはスポーツ施設もあったりだとか、なんかスポーツのことに関して何か新しいことができるような力をもっているかもしれないですね。滝川さん何かありますか?

滝川さん そうですね、個人的な意見かもしれませんので、カットしていただいても構わないのですが(笑)、東郷の魅力というお話で、そうですね、正直20代のときは、東郷というか新城市から出たかったというのが正直な思いでした。だけども、嫁さんも同級生で、小中高と全部一緒だったんです。結婚して娘2人を授かって、住んでいく上で、消防団とか八束穂のお祭り青年とかをやってみて思ったのが、結構その・・・いい人たちが多いなというのがあって、生活している上ではそのように思います。白頭くんもそうですけど・・・笑顔の素敵な(笑)。

佐々木 だって(白頭くんも笑)

次世代へつなぐケッターパークへ

滝川さん 僕たちが子どもだったときのお祭りで、お祭り青年として地域の人たちが子どもを喜ばせるためにやってくれていたんだなというのが、初めて青年になってわかったんです。

佐々木 うん、うん(自分のことを思い出す)

滝川さん 消防団でこの間、行方不明者を捜索して発見したというのがあったんですけど、自分たちが小さかったときに、上の世代がいろいろやっていたことが、地域のためにすごいちゃんとやっていたんだなと、自分たちがその立場になったときに理解できました。そういうよさというか、何か遊びに行ったときも、総合公園にしても、ここにあったディスクゴルフ場にしても、なんだかんだ言っても地域の人たちが見ていて守ってくれていたんだなって、今になって思っていて、そういう面では東郷での生活というか子育てというのが一つの魅力じゃないかなって思っています。

佐々木 なかなか、すごいことをおっしゃったなあって思います(笑)。世代がつながっていくってね。ケッターパークの会長さんともさっきしゃべっていて、自分たちの世代っていうか、自分も皆さんよりちょっと上なんだけど、若い人たちがすごいと。いろんな情報を知っていたりとか、行動したりとか、本当に驚きながら見ていると。そういった若い人たちを支えていきたいし、自分たちの若いころとはまた違う環境だけどもどう支えていくのがいいんだろうって話をして、盛り上がっていたんだけど、いまその世代のつながりの話になったときに、このケッターパークは、子どもから1つ1つつながっていく感じがあるというのがいいなと思いました。うん、嬉しいなあ。はは(笑)。あと、ケッターパークが発展していくときにこうなって欲しい姿や、何かお願いがあれば教えてくれると嬉しいんですけど。

磯原さん 僕の中での理想論では、完全に公園として自由に出入りができて、その管理をする・・・今我々は運営をするために立場上管理をしているんですけど、管理者がいなくても安全に開放できる施設というのが、やっぱり一番の理想なのかなと思って。そういう意味では、今の実行委員という立場の中で、いかに安全だけど、ちょっと面白味のあるコースを作ったりとか、周りの環境面もそうですけど、蛇や蜂が出たりとかまだあるので、そういう対策もしっかりしたりとかできていけば、最終的には完全な独立した公園として開放できるかなと思っていて、そのためには今の子どもたちがしっかり自転車に興味をもってもらって、ここで用意していなくても自分で持っているものがあるよっていうような、1人1台自転車持っていますよみたいな、そういう風になっていけば、我々みたいなそういう立場の人間がいなくても、任意で続けるのは結構だと思うんですけど、理想としてはそういうところにもっていければいいなと思っています。

佐々木 なるほど、なかなかしっかりとした理論を・・・。磯原くんは、2・・・いくつだっけ?

磯原さん 22です。

佐々木 22!?それより5つ上ぐらいに思っていた。

滝川さん すごく真面目でねえ・・・しっかりされていて、自分の考えをもっていて。僕35なんですけど、10歳年上の僕たちに対しても、しっかり自分の意見を言うもんで、すごく感心させてもらっています。

佐々木 滝川さんはどんなことを考えています?

滝川さん ケッターパークへの思いじゃないですけど、思うところはいろいろあります。さっきの話につながるんですけど、小学校のときとか須長の親戚のいとこたちと、よく子どもたちだけでディスクゴルフをしに来たんです。で、クワガタほしくなったりとかカブトムシ取りに来たりとか、結構楽しませてもらっていて、自分が今度大人になって地域のために・・・ではないんですけど、あのとき子どもながらにある意味自由にさせてもらって、で楽しい経験とか苦い経験とかして、そういうのをまた、今の子どもたちに体験させてあげられたらなというのはすごく思っていまして、オフロードで自転車をこういう斜面とかで走るのって、危ないじゃないですか。じゃあ子どもたちが自分たちで、その考えてどのくらいならスピードを出していいのか、どのくらいなら勢いつけていいのかとか、自転車を通して自分たちで安全を・・大人たちとか周りとかが確保している部分は多いけど、自分たちで安全に楽しむにはどうしたらいいのかというのを考えながら、ちょっと痛い思いしながらでも・・学ぶことを経験してもらえればと思います。

佐々木 なるほど、そうですね、この活動ケッターパーク自体が、コースを見てもきちんとしているなと思うんです。だから、そういったものがあるからこそ、お二人が一生懸命考えていることがきちんとしている、ぼんやりとしていないんですよね。ある程度形になっている。そういったものになっているのは、ここの活動がしっかりと運営されている証拠かなと私は思いました。あと、ここを登っていくと設楽原の戦いの徳川家康の本陣があるんですよね。この間NHKの歴史探偵で取り上げられていて、とても面白かったですよ。まさにそこで(馬防柵)取材していたから、それを思い出すと、家康がここにいて、向こうからやってくる武田軍とたたかいをやっている場所で、このケッターパークが開かれている。400年前の歴史のことと重ねるのは意味がないかもしれないけど、ここでケッターパークのような活動が行われているというのは、なんか考え方によっては不思議なも のを感じが。そんな中で私たちが生かされているというのが、すごいですよね。

ケッターパークに興味をもたれた方は,ホームページへGO!
東郷ケッターパーク – (more2013.com)

この続きは・・・来週に続きます!後編をお楽しみに!
後編記事はこちら
【後編】時代を超えてつながる東郷の遊び場「ケッターパーク」

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