楽しもう
新城市夏の風物詩のひとつ、寒狭川出沢区の鮎滝での笠網漁は6~9月まで。出沢区民で毎年くじを引き順番が決まり、月3~4回の漁を楽しみます。漁協腕章、鮎滝被り笠、鮎滝法被が目印です。8月中旬、雨予報の中取材に伺いました。
寒狭川 鮎滝 笠網漁
雨がパラパラと降る8月中旬。当番の鈴木正敏さん、菅谷浩之さん、竹川義和さんと鮎滝の歴史に詳しい林道敏さんにお話を伺いました。
鮎滝上流 水量が多く流れも速い 和気あいあいと談笑
竹川さん 今朝は、雨だったからだめだと思ったけど、6時前に来てみたら鮎がたくさん飛んでた。1時間くらいで200匹くらい獲ったかな。今日は多い日だね。8月に入ると鮎が朝飛ぶようになるね。今年は7,8回来てるかな。滝番が回ってくる度に来てるよ。
鈴木さん 今年は月2回くらい、6回目かな。この後はハヨが多くなるね。私はゆっくりタイプでだいたい9時くらいに来るよ。
菅谷さん 今年4回目。平日でも、今在宅勤務だから朝仕事の前に来てる。5時半くらいから竹川さんと漁の準備して8時くらいまで。多い時はいっぱい獲れるけど、数匹の日もね。今日は雨予報でどうしようかなと思ったけど。
みなさんそれぞれ集まってきて漁を楽しんでいます。
ー鮎滝の思い出はなんですか。
林さん 僕が小さいころはおやじ達が漁をして、木陰でお母さんたちが待っていてすぐに捌いて干したよ。夏場だし鮎は腐りやすいからね。貴重なたんぱく源だったよ。
竹川さん いまは家に持って帰って、その日のうちに、僕は自分で捌くけど150匹が限界だね。捌いたのはきれいに冷凍してお使い物にしたりね。みんな喜んでくれるよ。あとは親戚に電話してもらってもらう。
ー東郷のいいところ、一つ教えてください。
菅谷さん 昔からというのが多いから、地域を大切にしてる人が多いかなと思う。
ー東郷地区の方で鮎滝に見学に来るときのアドバイスを。
菅谷さん 上流で手を洗わないこと。※鮎はにおいに敏感なため、水に人のにおいが移ると飛ばなくなる。
岩場なので足元が滑ります。落ちないようにね。もともと水量も多いし、急に増水することもあります。それさえ気を付けてもらえたら、漁の期間中はいつでも見に来てください。
この日は笠網の持ち手の具合が悪く、その場で修理をしました。笠網は区民の手で作られています。
鮎滝の歴史に詳しい、林さんが古文書のコピーなどを見せてくださいました。林さんが総代をしていたころ、ほかの地区の人に質問を受けたので、自ら調べたそうです。鮎滝は江戸時代に岩を切り開いたことで始まっています。とても興味深い話でしたので、こちらはまた改めて取材をさせて頂き当ホームページで紹介したいと思います。
あとがき
鮎滝駐車場から林の中を下っていくと、鮎滝に到着します。流れの速い滝の音や岩場の照り返し、両岸の濃い緑が印象的な場所です。水量が多く鮎漁があるため泳いだり水を触ることはできませんが、風情を楽しめます。
詳しい場所は新城市役所ホームページをご覧ください。
https://www.city.shinshiro.lg.jp/kanko/meisyo/ayutaki.html
インタビュー日 2021年8月12日
インタビュアー 佐々木昌也、関原香緒里
文 関原香緒里