守ろう
今回インタビューするのは,新城市PTA会長や消防団東郷分団長など,数々の役職をこなしてきた畳店を経営している沢田実付晴さんです。今回は40歳を過ぎて,防災活動に取り組みたいと思い,新城市防災士会副会長を務められています。そこで,防災活動について詳しく話を聞きました。
防災に関わるきっかけは?
佐々木 防災に関わるようになったのはいつ頃からなんですか?
沢田さん そもそも関わるようになったのは,消防団の分団の役員をやってからかなあ。この地域のことをいろいろとね,考えるようになって,で,他地域と比べてみて東郷地域は,もっとこういう風にしていけば,安全安心なまちになるのかなって言ったらいいかん。そういう観点で見始めてからかなあ。
佐々木 分団長をやられてから,例えば防災士もそうだと思うんですけど,防災に関することって,何かありますか?
沢田さん まず,あの地域の自主防災会というものをちょっと改善したいと。やっぱり,マンネリ化しているというところもあったんで,それをまずなんとかしたいなあ,まず地元の平井から,うんやっていこうかなと思って,組織作りから始めました。
佐々木 その辺を詳しくお聞きしたいんですが,組織づくりとか防災会の取り組みを教えていただけますか。
沢田さん まずは防災訓練というところが,一番初めに防災として取り組んだことだと思うんだけど。僕が消防団現役のころには,あの,毎年毎年参加していたんですけど,内容がやっぱりマンネリ化しているなあと思いました。そりゃ,こんな訓練で大丈夫かなあと不安でね。で,いろんな地域,分団役員のときに他地域の防災活動を見させてもらって,これ,参考になるなあというものを平井地区で取り入れるようにしてきました。まあだもんで感じたのは,まずは人と人というのが一番大事なのかなと思ってね。
平井地区の防災訓練について教えてください!
佐々木 人と人ですか?つながりっていうことですか?
沢田さん つながりというのか,地域でやっぱり平井地区っていうのはもう新しいまちというか,いろんな人が集まってきたというところがあるんで,隣近所やっぱり,隣の人の顔を知らないと,防災という面では困るよね。
佐々木 確かに,自分の住んでいる横川地区ですと,どこに誰が住んでいてというのはまあまあわかっていて,でも最近引っ越されてきた人がいて,びっくりするぐらいなんですけど,平井地区だとどんどん新しい人が入ってくるから,もうわかんないですよね。
沢田さん 当たり前のようにもう,この20年ぐらいでガラッと変わったような気がするんです。僕も全然知らないような人がたくさんいるんで,まずは防災訓練を通じて,人と人の顔を知ろうということで。まずは組長さんや区長さんがどんな人なのかということを知ってもらわないといかんし,そういう人たちを防災訓練に参加してもらって,みんなにあの,知ってもらうという。そういうような取り組みをね,一番最初は取り組んできました。
佐々木 ちなみに平井地区だけで組長さんという方は何人いるんですか?
沢田さん 組長さんは平井地区で80人ぐらいです!
佐々木 知っていたんですけど・・・横川は6人ですからね!2組合体して1組にしようかという話もあるぐらいなのに,80人はすごいですね(笑)!
沢田さん すごいです。年に組長さんとか区長さんとかが集まる機会が,年に2回だけだったんですよ。
佐々木 年に2回だけ?何か会議ということですか?
沢田さん そうなんですよ。総代会みたいな感じの会議があって,それが年に2回だけ集まるだけで,そんなんじゃ横のつながりが全然わからないよっていう話で。じゃあ,まずは,1回防災訓練を通じて,顔つなぎを増やそうという,そういう取り組み,まずそっから取り組んでって,それでもう10年かな。
佐々木 なんというか,そうやって防災訓練をすることによって顔をつないでいくことで,横の関係はできつつあると感じていますか?
沢田さん そうですね。なんで,だいぶつながりができてきたかなあと思います。今,平井地区でも防災訓練に参加してくれる方が,お子さんからお年寄りまで300人ぐらい参加してくれるようになったので。
佐々木 東郷東小学校の児童数をはるかに超えていますね(笑)。東郷西小学校も越えていますね!そう考えるとすごいですね。
沢田さん 最初は組長さんだけでした。参加者も100人弱でした。
佐々木 少しずつ参加者が増えてきているのはいいことですね。
沢田さん やっぱり僕らの自主防災会の取り組みっていうのか,活動を平井地区の皆さんがだいぶ認めてくれるようになってきている。それで参加してくれるようになったんで,続けてきてよかった!なんていう風には思っています。
佐々木 今まで防災会として,防災訓練で行った内容を教えてもらえますか?
沢田さん 消火器を使った初期消火訓練をやって,中学生たちに炊事訓練ですね。実際にお釜に火を焚いて,中学生がご飯を炊くと。その手ほどきを老人クラブのお年寄りの方にご指導いただいてやりました。そこで地域のつながりができるのかなと。あと,カレーをえ~っと,300人分。それも中学生を主としてやってもらう。そのサポーターとして,女性の会というお母さん方,おばあさん方かな。世代を超えた交流を兼ねて,人と人とのつながりっていうのをね,やっています。
佐々木 カレー300人分は全て食べられたんですか?
沢田さん はあい,足りないぐらいでした(笑)。
佐々木 すごい!じゃあ300人以上いたかもしれないんですね。
沢田さん いたかもしれないね(笑)
佐々木 それはすごいですね。今のコロナ禍の中で調理というのは難しいと思うのですが,そういった活動をされていたのと,いろんな世代がつながっていくというところが,とてもうらやましい!と感じました。
東郷地域の防災についても教えてください!
佐々木 東郷地域の防災について,どのように考えていらっしゃいますか?
沢田さん まずはこの地域で起こりうる災害っていうものを,やっぱりみんなで共有しないといけないのかな。それで共有するためにはそれを知る場?お互いを知る場を設けた方がいいのかなと。
佐々木 そうですね。実際に考えられていることはありますか?
沢田さん 今考えていることはこの東郷地域での防災に関しての意見交換会。あとは講師を招いての講習会みたいなことができればなあと考えています。
佐々木 ということはそういう会が開かれたときには,東郷地域の方々に是非足を運んでいただいて・・・。
沢田さん そうですね!みんな関心をもっていただいて,この地域がより安全なまちになっていけばね,いいかなって思っています。
東郷地域のよいところを紹介してください!
佐々木 東郷地域のよいところを一つ教えていただけますか?
沢田さん やっぱり,田舎ならではの人と人の温かみがいいんじゃないですかね。なんで東郷かというと・・・好きなんだよね,この地域というのがね。人が好きだから,なんか少し役に立てればなあって,そんな風に感じております!バスケットボールもやっています!
佐々木 なるほど!最後に他に何かお伝えしたいことがあれば,お願いします。
沢田さん 東郷地域でバスケットボールをやっているんで,小学3年生から6年生まで楽しくミニバスケットボールをやっています。毎週,平日は午後7時から9時までで,火曜日が東郷中学校,水曜日が東郷西小学校,木曜日が東郷東小学校,土曜日の午後に東郷西小学校でやっています。特に火曜日は子どもから大人までバスケが楽しめるように東郷中学校の体育館を開放していますので,バスケをやってみたいなあという子がいれば,親子で来ていただいても大歓迎なので,よろしくお願いします。
佐々木 参加したいときは?
沢田さん 東郷フェニックスのホームページ見ていただいて,メールか電話をいただければ参加できます。
佐々木 今小学生はどれぐらいいるんですか。
沢田さん 30人ぐらいいるかな?
佐々木 結構いるんですね。試合も何チームかに分かれてやることできますね。
沢田さん このバスケットチームもちょうど10年なんで・・・。
佐々木 10年ですか。10年前がいろいろなスタートのときだったんですね。
沢田さん そう,そう,そう。ちょうどJCが終わって,商工会青年部の役も終わって,やれやれと思っていたら,なんか活動していないとなあと思っていて・・・
佐々木 そうしたらいろいろなところで捕まって・・・
沢田さん でも,やっとやりたいなと思っていたことができてきたのが40歳だったかな。
佐々木 かっこいいっすね!
沢田さん そう,あれもやりたい,これもやりたいと思ってね。
沢田さん,ありがとうございました。東郷地域で,平井地区で防災について考えたいという強い思いを感じることができました。防災活動は,もしものときの被害を最小限するために行いますが,平穏な日々が続くときはやってよかったという実感をなかなか得にくい活動です。でも,みんなの命を守りたい!と取り組んでいる様子は応援したくなります。
現在,東郷地域全体で防災について考えようという活動が動き始めています。その準備組織として,東郷の防災を考える会で,今年11月に東郷防災ミーティングを計画しているということです。また,情報が入りましたら,このホームページで上げていきたいと思います。よろしくお願いします。
東郷フェニックスに興味がある方はこちらまで → http://sawada-tatami.com/basket/index.html
インタビュー日 令和3年8月9日
インタビューアー・文 佐々木昌也