しめ縄作りのこと

今回は、今住んでいる横川の白鳥神社の、しめ縄の付け替えをお手伝いしてきました。

ここの神社では、春と秋の祭礼、そして年越しの年三回、しめ縄を新しく付け替えます。昔は「家所(やしょ)」というお役があって、神社の傍の家5軒が持ち回りで、お祭りの時には神社の内外の掃除からお供え物の準備、しめ縄の付け替えや神事の後の直会の手配など全てを任されていたそうです。

それはそれは大変なお役で、家中総出で務めたのだとか…。しめ縄作りを担っている方は、60代後半の山口さん。小学生の頃から(!!)しめ縄を作っているので、かれこれ半世紀は毎年しめ縄を作り続けている。

今ではだんだんとお米を作る人も少なくなってきていて、「その年の収穫に感謝する秋の祭り」という感覚そのものが希薄になってきている。藁もコンバインで刻んでしまうのでしめ縄用の藁が貴重になっている、とのことでした。

山口さんは親父さんから言われたので、疑問もなく「当たり前のこと」としてしめ縄づくりを担ってきたそうです。長年作る中で、いろんな所の神社を見に行き、立派なしめ縄を見ていろいろと試行錯誤してきたと話していました。

今、神社のしめ縄をプラスチック製にするところが増えてきていますが、やはり神様をお迎えするためにはその都度その都度新しい藁でしめ縄を編んでお迎えするのが本当ではないか、とのことでした。

「お祭りでもなんでも、一度止めてしまうと次に始めるといってもなかなか出来なくなってしまう。続けていくことが大事だと思う。将来的には、若い人にどんどん覚えてもらって引き継いでいってもらいたい。」とバトンを渡された気持ちになりました。

各地区を見守ってくれている神社。その維持管理は地域の方がボランティア精神で担っています。その一端に触れることができました。

(2022.1.9 記事文責: 横川 星洋輔)

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