楽しもう
みなさんは、「涅槃団子(ねはんだんご)」をご存じでしょうか?
春の兆しを感じ始める2月半ば頃、出沢の龍泉寺にて「涅槃団子」をつくられるとのことでお声がけしていただき、お団子づくりを体験してきました。
初めてのお団子づくりで楽しい経験ができたことはもちろんですが、日本の文化や地域の風習を学べるとても貴重な機会となりました。
今回は、涅槃団子づくりで体験したこと、学んだことをみなさんにお伝えしてきますね!
「涅槃団子(ねはんだんご)」って?
涅槃団子とは、お釈迦様が亡くなられた日とされる旧暦2月15日におこなわれる法要「涅槃会(ねはんえ)」で、参拝に来られた方に配られるお団子のことです。
「涅槃会(ねはんえ)」は少なくとも奈良時代にはおこなわれていた法要だそうで、お釈迦様の命日が描かれている「涅槃図(ねはんず)」という大きな絵を飾ってお経が挙げられます。
涅槃団子は、お釈迦様のご遺骨にたとえられ、食べると1年間無病息災や厄除けなどにご利益があるといわれています。
涅槃団子は色とりどりで華やかな色付けがされていますが、地域やお寺によって色の種類や形がちがっているそうです。
お団子を食べずにお守りにして持ち歩くという地域もあるそうですよ。
「涅槃団子(ねはんだんご)」づくりスタート!
日本の伝統的な風習である涅槃団子の由来を知ったところで、涅槃団子づくりのスタートです!
材料と作り方はとてもシンプル。
- <材料>
- ・米粉
- ・色付けするもの(今回はクチナシの実や青汁粉など)
- ・お湯
米粉に熱湯を入れてこねます。お砂糖を入れて甘くすることもあるそうですが、今回はシンプルにお砂糖なしでつくりました。
熱湯でこねた生地に色をつけます。黄色はクチナシの実、緑は青汁の粉、ピンクは食紅を使い、全部で4色の生地をつくりました。
こねた生地を蒸し器で蒸します。蒸し終わったら、生地が熱いうちに成形します。
4色を自由に組み合わせて、カラフルな筒状の生地をつくっていきます。
ここまでで仕込みは完了!筒状に丸めた生地を一晩寝かせます。
翌日に仕込んだ生地を金太郎あめのように包丁で切ります。色とりどりな涅槃団子の完成!
「涅槃会」当日の2月15日、涅槃団子は「涅槃図」の前にお供えされ、参拝に来られた方々に配られました。
涅槃団子づくりを終えて
恥ずかしながら、私自身は「涅槃会(ねはんえ)」という行事のことを知りませんでしたが、今回は「涅槃団子づくり」を通して日本の伝統や風習に触れることができ、とてもなステキな体験をさせていただきました!
出沢の龍泉寺では毎年涅槃会がおこなわれ、手作りの涅槃団子を配られているそうです。
この時期は、普段はなかなか見られない「涅槃図(ねはんず)」という絵を見られるチャンスでもあります。
地域の文化に触れられる貴重な機会にもなりますので、ぜひ来年のこの時期は出沢の龍泉寺の涅槃会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
取材日2023年2月14日
取材/文 磯部奈央子