設楽原合戦場に出現!「決戦場田んぼアート」で戦国の息吹を体感してきました。

2025年6月7日(土)、東郷地域にある設楽原決戦場の馬防柵前で、歴史と自然が融合した注目のイベント「第1回決戦場田んぼアート」が開催されました。梅雨入り前の晴れ間に恵まれ、地域住民や歴史ファン、家族連れの方々など、総勢25名が集まり、みなさん泥んこまみれになりながら、一本一本真剣に稲を植えていました。

苗は、一般的な「あいちのかおり」で、葉が白い「雪あそび」、緑から白に変化する「白穂波」、紫色の「紫稲」の4種類。この様々な色付き苗を、あらかじめ植える場所を決めておいて、区画ごとに持ち場を与えられ、地元農家さんのご指導のもと、参加者の皆さんの手で植えられていきました。

450年の時を超えて――戦国の記憶を田んぼに刻む

設楽原といえば、言わずと知れた長篠・設楽原の戦いの舞台。戦国最大級の合戦の地として知られるこの場所で、今年はその決戦からちょうど450年の節目。これを記念して、馬防柵前の田んぼを活用し、田植えで「450」の巨大な文字を描くアートに挑戦しました。

この田んぼアートの取り組みは、東郷地域協議会の提案をきっかけに始まりました。東郷地域では近年、耕作放棄地の増加や草刈りの担い手不足、空き家問題など、さまざまな地域課題が深刻化しています。こうした課題を何とかしようと、地域の有志が集まり、「東郷地域再生プロジェクト」を立ち上げました。

この田んぼアート事業は、その活動の一環として、東郷地域自治区予算事業として実施されています。地元の人たちの力で、地域の魅力を再発見し、課題を乗り越えていく新たな挑戦が、今まさに始まっています。

今年度の取り組みは、今後の展開を見据えた試験的な取り組みです。緑と泥にまみれながら、参加者全員で協力して一文字一文字を丁寧に植えていく姿が印象的でした。

地元住民とともに育む「新しい風景」

この田んぼアートは、ただのイベントではありません。地域の子どもたちや若者、農家の皆さんといった多世代が協力し合い、「まちの未来をつくる」プロジェクトとして位置づけられています。

見上げるような馬防柵と、その前に広がる「450」の文字。これまでにない角度から設楽原の魅力を体感できる、今後の新たなフォトスポットとしても注目です。

今回の成功を受け、田んぼアート実行委員会では来年以降のスケールアップを構想中。長篠・設楽原の古戦場にちなんだ、歴史ファン垂涎の田んぼアートが構想されています。ここ設楽原が、アートと歴史の融合地として、今後ますます注目されること間違いなしです。

実行委員長からのメッセージ

最後に、本事業を企画・実行された田んぼアート実行委員会の委員長である松山さんから、東郷地域にお住まいの方に向けてメッセージをいただきました。

『設楽原は「日本史上有数の合戦の舞台」です。今年はその決戦から450年の節目にあたります。
田んぼアートは石碑や看板よりもスケールが大きく、迫力のある表現が可能です。将来的には全面を使って「一斉射撃をする足軽鉄砲隊」や「馬防柵に突進する武田の騎馬隊」など、戦国の名場面を100mのスケールで描きたいと考えています。想像するだけで胸が高鳴ります。
この田んぼアートが新たな観光資源となり、新城市や東郷地区の活性化につながることを願っています。ぜひ現地に足を運び、歴史の息吹を体感してみてください。』

ぜひ現地で、田んぼアートの迫力を!

植えた直後と2週間後の写真です。時間が経つにつれて、少しずつ輪郭がはっきりとしてきました。

田んぼアートはこれから夏にかけて、成長とともにさらに見応えを増していきます。緑濃くなる葉が文字をくっきりと浮かび上がらせ、7〜8月が見頃となると予想されています。

馬防柵と並び立つ巨大アートの姿を、ぜひその目でご覧ください!

この記事を友達に教える