あいさつ運動推進委員会

子供と地域を繋げる試みを行う~あいさつ運動推進委員会~

月曜と木曜の朝、平井区で学校へ行く小学生たちを見守っている存在がいることをご存じでしょうか?

平成13年に発生した児童殺傷事件から、子供を見守ろうという気持ちで活動が小さく始まったこのあいさつ運動推進委員会。

発足は同年に当時老人クラブを推進していた中尾さんから声をかけられたことで、近藤さんが畑仕事の際に声をかけるなどの地域活動から始まっていると語ってくれました。

ーー事件があったからこの会が立ち上がったということでしょうか?

中尾 そのころは、地域で会ったらお互いに挨拶をするという習慣がなかった。そもそも隣近所に誰が住んでいるのかがわからなかった。まずは小さなことから始めよう!となり、婦人の会、老人クラブ、子供会などに声かけした。その当時は予算もなくて、タスキを作るのも厳しかった。着たものを会員の中で使い回ししていた。段々と予算も増えてきて、地域活動交付金を活用して活動することとなった。ゆくゆくは平井区だけでなく西小学校区全体に広げたいという狙いがある。

ーー活動人数は?

今泉 会員は現在39名。活動日の月木の朝、都合のつく方に出てもらっている。

沢田 仕事されている人もいるので、出れる範囲で出てもらっている。

 これらの話から強制ではなく、無理なくできるから、この16年間続いているというのがあると感じました。

ーー平井区の通学路に点在して活動しているということでしょうか?

服部 コロナで全員集まるのはまずいだろうということもあり、それぞれの家の前に立って挨拶している。最初の頃は小学校の正門前に全員で立っていたが、威圧感もありなかなか挨拶してくれなかった。

ーー先ほど、小学生が僕にも挨拶してくれた。皆さんのおかげで挨拶が徹底されていると感じました。

中尾 会員を募集するのも、地域の役員をやった人に声をかけると理解が早く、また口伝えで地域に広がった。

  平成16年というのは、全国でも凄惨な事件が多くあった年でもありました。

 ここ最近でも通学路に車が突っ込んだということがありました。先ほど活動している様子を見させていただいたが、みなさんが児童を誘導している姿を見て、このような事故は未然に防げると思っております。

ーー将来的な展望としては何かありますか?

服部 西小学校区全体に活動が広がっていくといい。矢部でも活動されていると聞いている。富永や富沢にも広がればいい。

沢田 他の区の区長さんに広げたいとお願いしたこともあったが、1年実施して終了してしまった。次年度に引き継いでくれるとよかった。ただ、それぞれの区の考え方があるのでなかなか強制はできない。

ーー子供達の反応はどうですか?

沢田 ほとんどの子供達が挨拶をするようになった。

服部 感謝する会を学校で開いていただいてそこで話をする。1学期は声が出づらい。2学期に入ると大きな声が出るようになる。

 子供達から挨拶ができるようになったという声を多く聞く。挨拶できるようになると元気になって友達ができるようになったと言っていた子もいた。

竹川 子供達は元気な声を出すとは限らなくて、成長して大きくなると言わなくなる。そういうところに子供達の成長の度合いを感じられる。私はウォーキングがてら校門まで歩いていっている。一番嬉しかったことは、「おじさん、かくれんぼしよう」と子供から言われ、子供達とかくれんぼしたこと。子供と交流する時間は私にとって楽しい時間。一緒に歩いているだけで楽しい。楽しいから続けられる。強制的なボランティアだと続かない。ゆるいボランティアでその中で楽しみを見つけられている。

高田 この活動の副産物的な効果として、子供達とのコミュニケーションもさることながら、おじいちゃんおばあちゃんとのコミュニケーションが取れるようになってきた。昔と比べて社会構造が変わってきていて、地域で活動する団体がことごとくなくなっている中で、今あるのは消防団とお祭りくらい。地域のコミュニティが薄らいできているので、子供達と我々の関係だけでなく、もっと地域の色々なところでこのような関係が広がってほしいと思っている。

あいさつ運動推進委員会
お話を伺った「あいさつ運動推進委員会」のメンバーの皆さん

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