りゅうさんの料理 ビリヤニ

東郷の魅力的な人 りゅうチャクマさん その3

フェアトレードの商品

 

富沢に住むりゅうチャクマさんのインタビューその3です。
その2の記事に続きりゅうチャクマさんの活動組織、STAの活動を紹介します。スタディツアー、フェアトレードフォーラム開催、共感することの大切さ、活動の原点について紹介します。

スタディーツアー主催

タイ、ミャンマー国境地帯の難民キャンプを訪れたり、夏はインドの三つの学校を訪れたり、現場をみてもらう、体験してもらうツアー。期間は約2週間。

りゅうさん インド、タイ、ミャンマー等の現況は語ってもなかなかわからない、現場をみると全く変わる。2週間の交通の便が悪くて、ホテルなどには泊まらないハードな旅だけど。列車も2等列車で現地の人とふれあって。インドの不可触民のミアビハ村に一晩ホームステイするんですよ。日本語も英語も通じない。土の家。ベッドは1台しかない。そこにお客さんが寝て、家族は土間で。そこで作ったものを食べて。コロナが収まれば再開予定で、募集します。

タイ 少数民族を支援するレストラン
社会人が参加したスタディツアー、タイ少数民族パオ族のための食堂。出資者はアメリカ人。

フェアトレード 現地のものを買い日本で販売する。

りゅうさん インドの村、ミャンマーやバングラデシュのチッタゴンの難民キャンプでは衣料等、自分達で作っている。それをお土産だといってもらったんです。そこで、あ、これを売ればいいんだって。買えば現地にお金が入る。フェアトレードの元祖ですよ。月一で国際交流のバザーで売ってた。全くのフリーマーケットは出ないかな。隣で100円で売られちゃうとうちは支援してるから、値段下げれないでしょう。少しまけてくれと言うと、お説教しちゃうんだよ、僕が。あなたねぇ、まけてやった100円をどう使う?インドの村では3日くらい家族5人が食べられるんだよ、そんな使いかた、あなたできるかって。みんな怒って行ってしまう。まだ日本にはチャリティ精神が育ってない。欧米ではチャリティだから少し高く買う、日本ではチャリティだから安く買える。


毎年行くけど、1年で状況が変わっちゃう。タイでいいハーブのお茶出して、いっぱい仕入れて日本でも人気もでて、また仕入れにいくとそんなのもうやめちゃったって。着るものもいろいろね。でもあの人たちも必死になって探っているから、こっちのニーズばかりにもこたえられない。いまはコロナで身動きが取れなくて。昔は名古屋の覚王山で1日で10万円売れた。意識の高い人だけじゃなく、おしゃれな人エスニックが着こなせる人。全身エスニックな人が、覚王山とか大須観音とかにいるね。個性的なものになると着こなせないから、ジーンズだったら、上だけとか、スカートだけとかおすすめです。

りゅうさんの買い付けた衣料品と鞄を合わせて頂きました。柄や素材はそれぞれの地域で特色があります。ほかにもアクセサリーや木のスプーン、インド ダージリンの紅茶なども販売しています。

フォーラムの開催 みんなで食事をしながら話す

りゅうさん 豊橋市に住んでいた時、縁があって豊橋の高校のボランティアサークルの子たちがいろんな高校の子を呼んでくれて、月1回自宅でSTAフォーラムをやってました。300円集めて、カレーや豚汁、味ご飯を用意して。みんなで食事しながら、怪しい話を聞くっていう。大学生になっても来たり、多い時は30人くらいかな。スタディツアーに参加してくれて市会議員や医者になった子もいる。高校のボランティア部の子だからもともと意識が高い。みんなで食事するって大事。

りゅうさん フォーラムは休眠状態です。またやります。ウクライナのことでね、ウクライナ人の知り合いが出来ちゃったから。難しい話もしたいけれど、ウクライナ料理を作って文化を知る。コロナがおさまれば新城でやりたいですね。

フォーラムを開催する理由

りゅうさん アジアの各地で底辺で生きる人々と出会ってきました。そんな人々の生死ギリギリの生活と出会って、それを私の体験の中だけに閉じ込めてはいけないと思います。体験を共有した私はそんな人々に代わって、現況を世界に発信していく使命があると思うのです。

共感すること 孤立させないこと

りゅうさん インド、タイでは女の人はお坊さんになれない。タイではメイチーといって掃除洗濯をするだけ。仏教を学べない。頭のいい人は台湾にいって勉強して尼僧になる。バンコク郊外に尼僧さんとして頑張ってる人がいる。女の人がお坊さんになれないのが許せないってんで自分たちでお寺作って、女の子を呼んで勉強させて。そこを訪ねたら、男性のお坊さんと30年以上戦ってきてほとほと疲れた時にあなた方が日本から来てくださってやる気がでてきたって言われて。あ、これでいいんだ、関心持つだけでいいんだって。孤立させないということがとても大切だと思いました。それは日本国内でも同じです。沖縄の辺野古の問題等、孤立させては駄目なんです。

支援しない組織をめざす

りゅうさん バンコクのスラムで学生たちがセンティエン(ろうそくの火)というグループで孤児たちに食事を与えたりしていたのを支援を始めた。お金や古着を集めて送ったり。それがいかにだめかってことを当時はわからなかった。送ると強いものがとっちゃって。いらないわけではないけど、緊急以外やらない方がいいね。だからうちは支援しない組織です。支援していると支援されるという上下関係が固定化されることになる。海外の支援者が学校作りました、病院作りましたという写真をよく見るけれど、どうして現地の人がそれをできないのか、このどうして?を解決できなければ。

どうして?を解決する

愛知県日進市にAHI(アジア保健研修所) があって、ここはいい仕事してますよ。アジア僻地の貧しい地域で保健活動やってる人たちを集めて、ディスカッション、研修して自分たちの問題を検証して学びあってそれで帰って実践する。これをまた持ち寄る。現地の人でやってます。ここはクリスチャンの組織で、私はお坊さんだけど関わっています。

私の活動の原点は援助ではなく、 どうして を解決するってところにフォーカスしています。

りゅうさんの活動内容、スタディツアー、フェアトレード、フォーラムの開催、共感することの大切さ、活動の原点についてお話を伺いました。いよいよ最終回、記事その4ではタイとの関わり、ミャンマーのこと、りゅうさんの想いについて紹介します。

取材日 2022年4月9日 取材 浅井美夏、関原香緒里

文 関原香緒里

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