【その2】東郷中学校体育館 東郷防災キャンプそなえに参加しました。

南三陸町観光協会

2022年11月5、6日、南三陸町観光協会の方をお招きして、東郷中学校体育館で1泊2日の避難所実践型防災キャンプが行われました。その模様をお伝えします。

 

人とのつながり

私が、防災に必要だと思うことは、人とのつながりです。緊急事態でも知り合い同士なら安心感もあるし、余裕があれば、誰かを助けることが自分一人にはできなくても、一緒ならできるのではと考えていて、その目的で東郷の防災を考える会に入っています。今回のキャンプはその面でもとても有意義なものとなりました。

避難所をつくる

私は所用で途中から参加しました。東郷中学校の体育館にいるところに地震が起こり、避難者が詰めかけてきたため、避難所開設をするという訓練から。55名を3チームにわけます。まずは避難者となりました。大宮の男性の設定。犬と非難してきた、あとで妻が来るという役どころです。これを受付に伝え、伝言が伝わっていくのか。2回目も避難者。大阪からきた旅行者。とにかく早く家に帰りたいが、道路の状況が悪く帰る手段がないという設定。事前に切羽詰まった状態できつく話すように指示がありました。

3回目に運営側に。詰めかける避難者にどう対応するか、約20名でさっと決め、女性専用窓口、東郷東小学区、西小学区と受付で分けることに。私は振り分けた避難者に話を聞く係でしたが、役とはいえ、探していた病院の先生が見つかった時は本当にうれしくなり、同じ運営役の人と連帯感が生まれたと感じました。翌日、二回目に運営をやった方に聞くと、避難者の言い方がきつくで気分が落ち込んだとのこと。私が連帯感を感じていた3回目の避難者は、言い方を優しく丁寧にするよう指示があったそうで、言い方、人の気持ちの余裕で、相手が受ける負担の違いを実感しました。

ミッション 記録係となる

次は避難所生活での役回り。14のミッションがあって、どれを何人でやってもよいとのこと。私は⑭の記録係、3人の班になりました。リーダーはじゃんけんで私がやることに。何をどこまで記録すればいいのか、この訓練では何も決まっていません。避難所に物資が届いたので、みなさんが動き出し、時間順に記録しました。

食事 わたしが苦手だと思ったこと

食事係の方たちは手間取ってました。非常食は防災用のご飯とおにぎり、数は避難者の人数に足りません。また、飲料水も500㎖のペットボトル3本のみでこちらもとても足りません。断水して電気も止まっているという設定です。道具はカセットコンロ1つと小さな片手鍋。防災用ご飯は食べたことがあるのですが、お湯なら15分、水なら60分かかります。途中で水が支援物資として届きました。男性陣がやってくださっていて、観光協会のかたが、時間がかかっているし、女性がいないと言われましたが、足りないご飯はどうするのか考えてしまい、私は手が出せませんでした。食べ物の恨みは…と考えすぎでした。

1班から順に食事をもらうことに。なんと私たちは最後の14班。ご飯と差し入れのコンビニおにぎりは人数に足りないし、あったとしても班の人数分ないと気分よく食べられない。みると、残りは防災羊羹…和菓子は大好きだけど、お昼集合で今は夜の七時、この時間に…防災羊羹だったらどうしようと待っていたら、なんとか3人分ご飯が残っていて、本当に喜びました。1班の避難所自治組織の方たちが最後に回ってくださったおかげ。食事班の方が用意して割りふってくださった食事。当たり前ですが誰からも文句は出ませんでした。

語り部のお話し

実際に中学生の時に東日本大震災にあった方のお話しを聞きました。印象に残ったのは、避難所で住民が畑から野菜をもってきたり、お米を提供したり、お風呂まで設置してくれて、自分たちができることをやっていったこと。その地方ではお茶っこ文化といって、漬物とお茶で隣近所、日々集まって茶飲み話をしていたとのこと。おばあさまが亡くなって、ご両親はしないそうですが、そういった交流のある地域でよかったとおっしゃってました。

11月の体育館の夜は寒かった

寝床班の方が毛布、マットレス、段ボールベッドやパーテーションを用意してくださって、男女エリアを分けて、特にパーテーションのほとんどを女性側に設置してくださいました。申し訳ないと思いつつ、冷えてきたので2人ずつひとつのテントのようなパーテーションの中で寝かせて頂きました。それでも寒くて寝られずにいて、東日本大震災の3月はどんなに寒かっただろうと思いました。寝る前で女性だけで話そうと集まりました。同じ東郷地区でも東郷西小学区の方で知ってる方は少なく、このキャンプや防災会に入ってから知り合った方がほとんどで参加してよかったと思いました。

そなえ宣言

翌日は座学で、班の人とこんな時はどのような事態が起きうるか、思いつく限りの対策などの意見を出し合いました。最後にそなえ宣言!!この時、昨日の避難所開設の訓練で、言い方がきつくて落ち込んだという話しを聞いたので、どうしたら自分は平常心でいられるかを考えました。私の場合、子供や家族の安否が一番の気がかり。これが出来てなければ、焦ったりイライラすることだろうと思いました。そこで家族で話し合いをしておく、としました。

南三陸町観光協会の方の感想

最後に南三陸町観光協会の方に今回の感想をお聞きしました。
すぐにリーダーが決まり、避難所運営がスムーズにいったと思う。そして朝の片付け、準備も自主的に始まり、時間通りにいくとことも珍しい、住民のまとまりがあるとおっしゃっていました。

まとめ

1泊2日の防災キャンプ。冒頭に書いた通り、私は防災や非常時には人とのつながりが大切だと考えています。その意味でも、今回参加して普段同じ防災会でもゆっくり話したことのない方、初めての方とも同じ時間が過ごせてよかったです。また、答えのないミッションにみなさん真剣に取り組み、参加者の優しさを感じました。非常時でいつもこのようなことはないかもしれませんが、普段の優しい人柄を知っていれば、一時的にお互いに余裕がなくなったとしても、また協力し合えるのではと思います。そして家に帰り、携帯電話が繋がらない時どこに集合するか確認し合いました。我が家は東郷中学校ですが、離れて暮らす子供に聞くと、近くの高校か小学校とのことで、自分で認識していることに安心しました。このような防災のイベントにたくさんの住民の方に体験して頂き、つながっていけたらいいなと思いました。

本当に役立つ避難訓練とは?愛知県新城市で「防災キャンプそなえ」実施

取材日2022年11月5、6日 

取材・文 関原香緒里

この記事を友達に教える