暮らそう
戸田さん 要するにボランティアじゃいけないと。必ず、それなりの方針をいただくということなんです。しっかりした方針を。そうしていくと,長続きするんです。文句も生まれないんです。問題も。だから私は白頭さんにも言うんだけども、地域活動交付金もね,目的は、自立する。今もらっているお金は呼び水。あれは呼び水ですよと。で,いずれもらったこの税金はお返しする,税金で。そのぐらい稼がにゃいかんよってこと。税金ですよね。これはもらったら返さないといけないですよ。ボランティアだからいいじゃないかというそうじゃない。一応,経済を回すってことを目的にしとかないと、そりゃあもういろんな問題がでてきますよ。これだけ働いているのに,あの人何も働かないとかね。それなりの報酬をちゃんとそれがやった人には払う。お金が取れるようなボランティアをやらないといけないんですよね。
関原 うん。
佐々木 ホームページもね,今はボランティアだよね。
戸田さん それが民間主導なんですよ。民間が考えるとこうなるんですよ。だって、うちらでも、経済,お金を回さんかったら、倒産ですよ。一家離散なんですよ。ボランティアの方はそういう危機感がない。もらったお金だからしょうがないね,みんながやらん仕事をやるから、しょうがないだろう。そこで、何とか経済をまわしてくと。そこで生活できるようにしていくのための呼び水だよと。それはいずれ返すと。税金で、利益上げてね。
関原 うんうん。
戸田さん 一番理想の企業じゃないですか。困りごとを解消することによって,利益を上げる。企業理念がしっかりしますよね。何で儲けるんですか、なぜこの仕事してるんですかって、金もうけじゃない,困りごとを解消することによって、その報酬をいただく。利益を上げる。これは本当の、企業ですよね。それがボランティアにはあるんですよ。今SDGsっていうね問題があって世界的に社会貢献とね、いろんな問題があった中で、企業倫理が問われているじゃないですか。あれボランティアの部分であるんですよ。ボランティアが利益を上げたら、すごい理想の企業ですよ。
関原 そうですね。もう一つ聞いてみてもいいですか?私はやっぱ交付金のイメージですと,
ただ、例えば出沢かえる会さんとか浅谷の道を作る椿の会とか五反田川カメの会で、地域を整備するついでにやっている方たちも、地元の人たちと仲良く作業して、繋がりが生まれて、近所にいろいろ仕事を相談するとか、働く仲間がいるっていうことで、交付金の意味がすごくあるなと思っていたんですけど、そっからさらに収入を得るってなると、皆さん、自分もそうですけど現金化っていうのに抵抗とか苦手なイメージがあると思うんですが。
戸田さん お金というと,すごく皆さん嫌われるけども、人と物とお金がなければ、この三つはどうしようもないんですよ。お金というものをもっと直視すべき。
関原 なんか戸田さんから交付金の活動を見ていて,こうやったら現金化できるのになって、何かありますか?
戸田さん 稲垣さんがやっている設楽原ボランティアガイド、私稲垣さんに怒られたんだけど,名前にボランティアが付く。お金が取れるのにボランティアが付く,ボランティアガイドって。じゃ名前変えたらって言ったら怒られた。笑い話だけどね。でも,稲垣さんたちのやっていることはすごいことですよ。あれをしっかり私お金取らにゃいかんと思っている。お金取ることによって,また勉強ができる。
稲垣 団体さん相手はね。多少もらっているんすよ。3000円ぐらい。1回ね。
戸田さん 私から言えば,1つ0が少ない(笑)。
稲垣 そんなにとったら、ちょっと(笑)。
戸田さん 本当はね,高く売りつけるじゃなくて、高く買ってもらえるようなレベルにしなければならない。
関原 そうですね。
稲垣 レベル上げなければならないね。
戸田さん 上げるためには勉強しなきゃいけない。
関原 スキルを上げて。
戸田さん スキルを上げればそうなるんですよ。
佐々木 だから本当に、今後の活動を継続していくってことを今、戸田さんの言ったようなことをしていかないと発展していかないってことだね。
戸田さん これを民間で考えれば早いんです。あなた方が、もしそこで自分のお金をつけてね。自分で経営してくんだって考えたら、もっと真剣になるはずなんですよ。(交付金として)もらったお金だからって。
関原 そうですね。
戸田さん このお金を私が本当に一応,吐くような思いで稼いだお金を、例えば、ここに費やすと思ったらね。そのお金がもし消えてしまったら、私の家はどうなっちゃうんだろうというのが仕事じゃないですか。
関原 はい。
戸田さん 責任。
関原 そうですね。
戸田さん だから、寝ずに皆さん頑張る。でもそこに企業としての理念をしっかり持たないと、頑張れないんですよね。息子に継ぐときとかね。お前こういう会社だから、継いでくれたときに、なんかそこでね、継承できないのは理念だと思っている。そういう意味でボランティアの場合は、理念がしっかりしてる。
関原 そうですね。
戸田さん そこに、お金っていうのは、本当に嫌なことだけども、お金がないことには進まないんですよ。問題は、必ずお金によって起きるんです。だからそこを直視するというのはこの地域協議会の中でお金というものを、逃げなくて、正面から見ようよと。そういうのが私は3年間ここにいて、あまり感じられない。弱いところですかね。
関原 まったく考えたことがなかったですね。
佐々木 今日ケッターパークに行ってきたけど(10月10日)、ケッターパークって,実際今何もお金取ってないじゃんね。
関原 うん。
佐々木 お金取ってなくて子どもたちがたくさん来て、大人の人が来ても、別に無料で遊べるんですよ。でも,それも、じゃあそのまま絶対やっていけるかというと,彼ら自身も悩んでいて、どういうふうにしてったらいいというふうに思っているし、このボランティアのホームページだって、次のね、やってくれているけども、その継続していくためやっぱりどうしても、自分もそのお金っていうのがどっかでどういうふうにしてくかということを考えないとなかなか継続して難しいと思っている。いやらしい話だけどね。
戸田さん いやらしい話なんだけど,お金は、これを逃げちゃいけないんですよ。でお金がないことには、ものがないことに人がいないことには進まないってことなんですよ。3つ(お金・もの・人)は皆平等なんです。それを何かお金だけぐんと下げてみるんですよね。
関原 ああ,そうですよね。
戸田さん なんか、お金に触れることはね、ボランティアに反することだとかね。
関原 そう。
佐々木 なんかそんなふうに思っちゃうんすよ。
関原 うん。
戸田さん そのうちにお金で空中分解しちゃうんですよ。
佐々木 すごい深い話なので,今これを、これを記事にすると、皆さんに伝えていく中で最後お金お金と、ちょっとなっちゃいそうなんだけど、いやそうもちろん上手くまとめますからね。ちょっと話を変えましょうかね。あとフリーランスの話なども聞きたかったんですけど、もう今日はちょっとこう、多分大分話しているので、ちょっとまた戸田さんにもう1回インタビューしたほうがいいなと正直思いました。最後にこれだけ聞きたいんですけど、皆さんに必ず聞いてるのですが,東郷の好きなところっていうのを何か1つ教えて欲しいということですけど、どうでしょうか。
戸田さん 私はやはり手つかずの自然に、何か今いろんなバブルの時期だとか、通り越して、何もその休憩所も1つない,あるいはトイレも1つもない、売店もない、ないないづくめの設楽原。あれが、本当の古戦場ですよね。本当何もない、ないないづくめっていうと稲垣さんに怒られるけど,休憩所もないし,トイレもない。
佐々木 どこで戦ったのかすら,わからないですよね。
戸田さん 馬防柵があるだけですよね。でもあれが、何百年前の本来の姿なんですよね。戦いのときは関ケ原でもどこでもそうだけど、売店はないし、休憩所はないし、道路もなかっただろうし、圃場整備はしただろうけどね(戦国時代に)。河川改修もされたけども、そんな大きな河川改修できないから場所の形は変わっていない。あれがね,本当に、あのように残っちゃったっていうところが、いいですね。
佐々木 確かに何か行ってみるとそのまま、昔もこういう地形でこういうふうに戦っていたんだなというのがちょっと想像できるのは,本当に設楽原の古戦場の好きなところというか。
戸田さん だから東郷の古戦場、すごい歴史を二分した、世界的に有名なね、影武者なんていう世界で有名な映画に長篠の戦いが出ていることが。世代が違うかな。
佐々木 黒澤明監督の映画ですね。
稲垣 それは地元が経済的に発展しなかったという、裏返しですよ。
戸田さん ある意味じゃ、それが今すごくいい。
稲垣 それが評価されるならいいことだ。
戸田さん 竹広地区の稲垣会長の家あたりの風景が、何ともいいですよね。歩いてみても原風景という感じがいいですね。
稲垣 小牧・長久手の戦いの古戦場は住宅ばかり建ってしまって、何も残っていないでね。住宅ばかり建ってしまって。昔どうだったのか想像もできない。
戸田さん 設楽原だと,あそこにちょっと座って1時間ぐらい瞑想にふけれるじゃない。あそこに家康がおって、そこに信長がいて。
佐々木 本当にそう,中学校からずっと丸山砦ところまでね,馬防柵がつながっていたんだって。こっちから武田軍がきたとかイメージできますよね。
戸田さん あの辺で馬が転んだのかなとかね,あの辺で鉄砲で撃たれて亡くなったのかなとかね。
佐々木 やっぱり最終的には,皆さんこうやって聞くとやっぱり設楽原の戦いの話とか自然の話をいっぱいされますよね。
戸田さん 残っちゃったというかね。
稲垣 結果的にね。なんかよかったよ。
佐々木 そうですね。
戸田さん これも一つの財産として、今度は、稲垣さんと竹広の皆さんが2泊3日と民泊で泊まって,ゆっくりとあそこをまわるのが。豊川や新城の街中に泊まりに来るのではなくて。
佐々木 おもてなしですよね,さっき言っていた。その観光でも、ものを壊すんじゃなくて、そのあるものをうまく整備していくとか,そのまま保存していくとか。
戸田さん そういう方向の観光が設楽原には適してるね。そして,地域の方が、農泊みたいな感じで泊めさせてあげると、民宿みたいな。ゆっくりと時間をかけてあそこは歩く。そうすると信玄の小道をね、歩いてもらえる。きれいな道をね。そうすると交付金の意味があるんじゃないかな。
佐々木 最初の方の話に戻ってきたような気がしますけど。
関原 そうすると交付金が大きな投資みたいになりますね。
佐々木 そのお金をお借りするという感じですよね。それが巡り巡ってみんなに返ってきて,東郷地域を発展させていくということですよね。
戸田さん その先の目的がプライドですよね。東郷のプライドができる。歴史的な場所に生まれ住んでいるんですよ。他にはないんですよ。何ヶ所もないんですよね。
佐々木 そうですよね!皆さんはそう感じてます?
関原 地元ではないので私は・・・でもやっぱりこっちに来たときに、一番最初夫に古戦場を案内してもらいました。
戸田さん 武田軍と織田徳川連合軍が戦った時代の、私たちは末裔だもんで、その遺伝子を受け継いでるわけですよ。例えば、遺体を片付けたとか、一番大変なことを地元がやったんだよね。
稲垣 本当はどっちかって被害者だからね。田んぼや畑が荒らされてさ、それでもやったんだよね。まあ,やらされたんだけど。
戸田さん そういう先祖の遺伝子を引き継いた稲垣さんや私だもんで,遺伝子にそれが組み込まれているはずです。絶対に。体のどっかに。
佐々木 なるほど。
戸田さん それはやっぱりプライドだね。最終目的はね。
稲垣 プライドというか、地元の人たちの優しさだね。皆さんがね,そういう人達をずーっと供養しとるわけね。
戸田さん そういう、なんちゅうかね、誰を恨んで亡くなっていったのか。何を思って、1万5000人の人があそこで亡くなっていったのかって思うとね。すごい場所じゃないですか。それを東郷の誇りと思わんとね。そんな場所はどこにもないんじゃないと思いますね。
稲垣 まだ当時のように畑として形で残ってるっちゅうのは珍しいよね。
戸田さん 長篠城ではそんな大勢の方があそこで戦死してない。やはり人の生き様っていうか,最後の大きなね、というのは設楽原ですよね。そういう供養が大事ですね。
稲垣 大事に,大事にしてます。
佐々木 わかりました。じゃあ、いろいろお話を聞かさしていただきましたので、皆さん。いや、一旦話を終わりますね。
一同 ありがとうございました。