暮らそう
先日,東郷地域へやってきた女性の方々を取り上げましたが,今回は男性ということで同じ横川地区の2名の方に話を聞きました。移住してきた理由や現在のお仕事などいろいろな話を聞きました。たっぷり聞いたので,前編・後編に分けてアップさせていただきます。それでは!
佐々木 皆さんよろしくお願いします。インタビューアーの佐々木昌也と申します。今回は東郷地域に移住されてきた方々ということで,自分の住んでいる横川地区の2名の方にインタビューさせていただきます。よろしくお願いします。
二人 よろしくお願いします。
佐々木 今回東郷地域へ移住をしてきた方々を取材しようと考えています。で,すごく狭いんですけど横川地区へ移住されてきた方々が結構いらっしゃるということで,お二人にスポットを当てて,今回はインタビューをさせていただきます。それではお二人いるので,一人ずつ簡単にどういう経緯で横川地区に来たかというのをちょっと教えていただけますか。
移住者1人目 星さん
星くん 横川の神田というところに住んでいます。星と言います。昭和51年生まれ,44歳かな。家族,嫁さんと子ども3人で,農業一本で暮らしております。そんなところで・・・。
佐々木 どうしてここに住むことになったの?
星くん なんすかね?3年有機農業について研修して,就農地を探したんです。で,まあ九州で研修したんで,九州を考えたんですが,でも,嫁さんの実家が田原で僕が神奈川だったんですよ。まあどっちかの両親の近くがいいなあと思って,いろいろ全国を,千葉とか見たんですけど,ちょうどね私の両親も転勤で名古屋に来ていたんですよ。名古屋で居候しながら,愛知で探すかということになって,田原などを見に行ったときに,有機農業するなら新城を見に行けという言われたんで。
佐々木 新城は有機農業をやっている方は結構多いの?
星くん そのときは多くなかったんですけど,有名な松沢さんという方いて。
佐々木 その人,八名の人だね。
星くん そうそう,八名の奥に住んでいる人で,まず見に行かないとだめだよって言われて。僕,新城というところを知らなくて,正直。すみません(笑)。で,松沢さんのところを見に行って,なんかすごく感銘を受けて,松沢さんの奥さんに新城に就農しちゃいなよと言われて,新城にどんどん若い人が来て,新城を有機農業の里にしようと説得されて,正直就農探しもつかれていたんで(笑),新城にするかみたいな感じになりまして。そっから家探しが始まりまして,家がなかなか見つからなくて。
佐々木 でも,最初は横川じゃなかったよね?
星くん 最初は日吉だったんです。そうそう,ちょうど日吉の鳥原の交差点,角が家だったんです。
佐々木 児童館のところ・・・目の前のところ
星くん 結構車通りがすごくて,こっちも来るし,あっちも来るし。休日はバイクが通るし。子どもも生まれたし,ちょっとここ危ないかなあと思って。すごく日吉もいい人がばっかりでお世話になったんですけど,家を探し始めたんです。家の前に畑があって,土間があって・・・いろいろ条件を考えて,結構ね,新城市内で探し始めて,作手とか見に行ったんですけどね。なかなかいいところがなくて,ちょうど山口さんところが空いたと聞いて,見に行ったところ,嫁さんが「ここいいって,ここ最高じゃん!家の前に畑もあるし。」って。
佐々木 目の前に寒狭川もあって,開けているし・・・。
星くん そうそうそうそう,それで引っ越すことになったんです。
佐々木 わかりました。ようやくここにたどり着いたわけなんですね。
星くん 横川に越してきて10年目か・・・。
佐々木 そうか,もう10年経つんだね。
星くん そうです。10年ですね,早いですね。
移住者2人目 白井さん
佐々木 では,続けて白井くんどうぞ。
白井くん はい,白井真一といいます。住んでいるのは横川地区の滝川になるのかな?なります。昭和58年生まれの38歳になります。
佐々木 みんな年齢を聞いていないのに,年齢紹介するんだから(笑)
白井くん で,越してきたのは,去年の8月,ほぼほぼ1年経ちました。
佐々木 ほんと,コロナがどうこう言っているときに引っ越してきたんだね。
白井くん なんせそのときに向こうで,神奈川の方で,派遣勤務として工場で働いていたんですけど,車関係だったからコロナで生産がた落ちして,ほぼほぼ休業状態になっていて,派遣切りという状況に相なって,どうしようとなったときに就職先を探してもなかなか見つからない。親に電話したらこっちに帰ってこりんって言われたんで,今の横川地区が祖父母の住んでいたところで家が空いているからという理由で,入ることになったというのが経緯ですね。
佐々木 でも,お父さんお母さんとは一緒に暮らしていないよね?
白井くん 暮らしていないです。父母は豊橋の方で暮らしています。
佐々木 白井くんは1人暮らしだよね。
白井くん リッチな一人暮らしを・・・(笑)
星くん 親の方から一緒に住むってことはなかった?
白井くん いや,向こうの方からどうせ住むなら,管理してくれた方が助かるということで。結局空き家のままで整備するのが大変で。毎週毎週(豊橋から)来て整備するというのは結局手間だから。
佐々木 確かに人が住んでいた方が,空き家もね,維持管理という面ではその方がいいからね。空き家というのは東郷地域の問題・・・いや新城市の大きな問題でもあるからね。
白井くん 田畑の草刈りをやってくれた方が助かるって,こっちに引っ越してきて1年が経つというところになっていますね。
佐々木 わかりました。じゃあなんか本当に2人ともちょっと状況が違う。星くんは本当生まれたところでない、全く全然違うところから、こっちに引っ越してきた。白井くんはここ出身じゃないよね?
白井くん 生まれは豊橋で,もう通っては、何度も何度も、もう盆や正月で必ずこっちに来て、祖父母と一緒に田峯行って,五平餅を買って食べるのがお正月のイベントでした。
佐々木 田峯観音ね。なるほど。
白井くん だから,新城に戻ってきたというのは全然違和感はありませんでした。
佐々木 なるほど,ルーツがあるところに戻ってきたっていうことだね。そのところが非常に面白いなと思いました。で、実際ちょっとやっぱ気になるところとして、じゃあ,引っ越してきてどうだったか、これ東郷地域の話なので、星くんの場合,お子さんもいるもんだから、学校とかそういったところであるとか。白井くんとかもう本当、住んでなかった、おじいちゃんおばあちゃんがいたところに住んでみてどうだったのか,率直なところのその辺りを教えてもらえるといいなと思って,星くんからどうぞ。
星くん 新城というより,東郷がっていうところですね。そうっすね何か、有機農業的にはすごく新城市っていうのは、入りやすい,感じがするね。豊橋田原だとすごく産地なんで。めちゃくちゃ慣行農法が進んでいるんですよ。
佐々木 慣行農法?
星くん 農薬化学肥料を使う,一般的な農法が、シェアがすごいんですよ。豊橋田原とかもう生産額で一位に全国、一位,二位レベルの生産量なんです。
佐々木 本当に商品を大量に作るみたいなそんな感じなんだよね。
星くん めちゃくちゃキャベツとかもトラックに山盛りで、ばんばん出荷してキャベツ御殿建てるみたいな。そういう農業があっちはすごい盛んだから、そこに有機農業が入ろうとすると、有機農業なんか眼中にないっていうかもう、草ぼうぼうにするからやめてくれみたいな、そういうなかなか畑を貸してくれないっていうイメージなんですけど。新城は逆にそんなに専業でやってる方もいなくて、どんどんこうちょっと農地が逆に空いてきちゃってるようだから、やってくれるならありがたいっていう感じで。そういう意味で入りやすかったですけど。でも最初の日吉の時も、全く僕は白井さんみたいに、地元の人じゃないから、何だこいつはっていうところだったんですけど,隣の人がちょうど区長さんで,その人がねすごい・・・なんていうかあっせんしてくれたんですよ。ここ空いているっていうところを、地主さんとかけ合ってくれてこういう子が来てるから貸してくれないかっていう。すごい動き回ってくれって。結構五反ぐらいすぐ借りれたんですよ。そういう意味ではその人に、もう亡くなっちゃったんすけどその人が67ぐらい。
佐々木 結構若くして亡くなっちゃったんだね。
星くん なんかその人のことはいつもね、本当に感謝というか、その人がいなかったら、多分やれんかっただろうなっていう,感じの人ですけどね。
佐々木 その人は日吉の方の話だけど、人との繋がりっていうのが何かあって、今ここに至るみたいな感じですね。
星くん 何か本当に農業って。やっぱり地元に溶け込むのが一番、仕事みたいなところもあって、そういう意味では、本当に地元の人に助けられた,助けられてきたなという感じはしています。
佐々木 いや、本当に星くんがここ引っ越してきた時に、自分から見たときには、本当にルーツも何もない人が引っ越してきたみたいな感じがあったけど,でも、フレンドリーにね、いろんなことに参加してくれて。それが、ここ本当にそういった人が増えることが、私たちにとっても、もともといる住民にとってもとてもうれしかったの。だからそういった意味ではなんかすごくね、年齢的にも近いので、そういった意味では、とてもうれしかったなっていうのは覚えています。じゃあ,白井くんはどうですか,住んで1年ぐらいになりますけど。
白井くん そうですね。意外と過ごしやすい。もっと、不便というか買い物するにも,車もちょっと、一時期、お医者さんに止められているっつうか全然乗れてなかったんで、不便かなと思ったら、Sバスがちょうど、いたんで寒狭橋から、「何だ!それ使って町に出て行くってことができた!」ので,意外と便利だなって。
佐々木 ちょっとそのSバスがすごく興味があるんだけど、今ちょうど,東郷で足を考える会というのがやっていてね。あの,そのSバスを使って、白井くん,ちょっとこうどういう感じで買い物にいったりするかみたいな,簡単なスケジュール的にはどんな感じ?
白井くん 月曜とかに、Sバスに朝から乗って、朝一とかはなんか小学生とかが一緒にいるからそこは避けて・・・
佐々木 ここ(佐々木家)とここ(星家)の子どもが乗っているよね(笑)
白井くん さっきの9時ぐらいのやつに乗って、ピアゴで買い物行って,そのターンで逆行き乗ると、30分でそのまま12時前に帰ってくるみたいな。
星くん じゃ、買い物は30分ぐらいできます?
白井くん はい。そういう買い方してくるとか・・・。
佐々木 じゃあ,1時間半ぐらいでもう帰ってきちゃうってところか。
白井くん そう。2時間ぐらいかかりますけど。
星くん でも,そこの寒狭橋から、出てるバスもそんな,ないっすよね。
白井くん 朝9時、11時,13時。
星くん そうですよね,2時間おきだよね。
白井くん そうですね。2時間おきぐらい。
星くん そうか。
白井くん (バスが)出てますね。
佐々木 特に今の話で興味深いのは、車も乗ってらっしゃらないっていうのが、私たち的に言うと、やっぱこの新城で生活していくには,車っていうのが必需品ぐらいに思っているけど、それを白井さん、Sバス使ったりとか、今日自転車で来たりしているけど、そういったもので生活していて、今不便じゃないみたいなこと言ってくるのは、私たちがこうなんというか・・・ちょっとこう、考えさせられるというか。ちょっとひょっとしたら、私たちは車が絶対必要だと思っているのかもしれない。それから、だけどそうじゃなくても、そういったものを活用すれば十分そういった形で、通勤しようとしている以上,通勤のために必要なとこもあるんだけど。ちょっと今話聞いて、そう思ったな。
白井くん そうですね,あと自転車に乗って30分ぐらいで長篠のドラッグストアまで行けるので,そこにも買い物にちょっと行くようにはしていますね。
佐々木 運動不足解消のバリバリだね。結構暑いし。(笑)
星くん 30分かかりますか。
白井くん 片道30分ぐらいですかね、20分か30分ぐらい。かかりますかね。
さて,前編はここまで。後編ではお二人の仕事の様子をお伝えしたいと思います。お楽しみに!